6年3組では確率の導入としてさいころを使った授業を行いました。算数では,紙面上だけで考えるのが困難な場合,モノを使うことによって思考のプロセスが見えるようにする(思考の外化)ことが重要です。私たちにとって過不足なくモノを用意することはなかなか難しく,その点について6年生のスタッフも長時間の議論を重ねてきました。その結果,今回は立体のさいころと各目をばらばらに切り取った平面のさいころを用意。それぞれのモノが子どもたちの生活体験と算数を結びつけ,順序良く数えるための補助としても機能しているようでした。面白かったのは,始めは「さいころの投げ方によって出る目の傾向が変わるのではないか」とか「さいころを縦に転がすと特定の目が出やすいのではないか」などの非科学的な考えをもっていたこどもたちも,友だちの理路整然とした説明を聴いているうちに確率の思考を展開するように変容してきたことです。また,この学級も安心して「わからない」と言える雰囲気があり,最高学年として学びの作法も身に付けてきていると感じました。放課後に研修部員と参観した教師による検討会を行いました。そこでも,普段はなかなか考えを変えない男の子が授業の最初と最後では劇的に変わっていたことが指摘されていました。問題や課題のあり方,モノの導入など今日の実践で学んだことをまた別の学級で生かしていきたいと思います。
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