イベントカレンダー


平成27年1月23日(金)  校内研修

平成27年1月23日(金) 校内研修
 1  2

 本日は岩本泰則先生と根本光子先生を講師にお招きして校内研修を行いました。午前中は1年1組,1年2組,3年3組,6年2組が,5校時には3年5組が算数の授業を公開しました。
1年の1組・2組では「大きな数」の単元で,二位数の加法・減法を適用しなければならない問題が示されました。すると子どもたちは「うーん」と悩みます。そこで,ペアで聴き合いながら手がかりを探ることにしました。そのうち,ある考えが出され,それを別の子どもが説明し直す。さらに疑問が出される。「違う考えはありますか」「この式,どんなふうに考えたのかな」などと先生が問いを焦点化しながら子どもたちにもどしていきます。ある子どもが発言しようとして立ち上がると,となりの子どもが小さい声で「がんばって!」と励まします。ペアの導入によって子どもたち同士の良好な関係が確実に築かれていることがわかりました。問題文をじっくり読み込むこと,今までに習ったことを応用することをとおして,45分間にわたって絶え間なく考え続ける1年生でした。
3年3組では「重さのつり合いを考えよう」という問題を使って重さの概念を学びました。少し難しいかな?と思われる問題を用意したのですが,子どもたちは次々に考えを巡らして問題を解いていきました。先生は第2弾,さらに第3弾の問題を用意してありましたから,求めるグループには次々に問題を配付していきました。これはグループが学びの主体になっているからこそできることです。本校の課題のひとつは,たとえ早く終わってしまった子どもでも,さらに学び続けさせる工夫です。それを解決するために,第3弾まで問題を用意したのでした。それが見事に当たり,全ての子どもが最後まで考え続ける45分間になりました。
6年2組では比の利用という高度な単元を取り上げました。広告の看板を2人が3対2になるように分けるための直線を引くという問題です。直線で分けるという条件をクリアするのに苦労する様子があちこちで見られました。「面積でできる」と気付いた子どもがいました。それから,辺に着目する子どももいました。中には,図と式がうまくかみ合っていない子どもも。そこからまた新たな思考が始まりました。斜めに区切るには?という展開に,子どもたちはさらに思考を巡らせます。三角形や台形の面積をもとに考えることに気付いて手がかりをつかむと,台形と三角形に分ける方法,ふたつの台形に分ける方法などがでてきました。現実には看板を斜めに分けることはあまりないかもしれませんが,比の概念を駆使して大いに考え続ける授業になりました。
午後の3年5組は提案授業でした。かけ算のひっ算の概念を深めるために,外国のやり方であるという交差する線を使ったかけ算を取り上げました。不思議な直線が示されると,子どもたちは口々に「えーっ」「何これ?」などと自然な反応を示します。先生がひとつだけ計算方法の例を示すと,その意味について探究が始まりました。ようやく交点に意味があることを突き止めると,その計算方法が腑に落ちてきました。二位数の計算ですから,位(くらい)の概念が必要です。そのことに気付き始める子どもたちもでてきました。この計算方法とひっ算との関係を完全に突き止めるためにはもう少し時間が必要かもしれませんが,手の届くところまで来たというのが今日の授業でした。
講師の先生からご指導をいただいたのは,まず「概念の編み直し」ということです。わかったつもりでいても,実は理解が浅かったり,あるいは誤って理解していたりすることがよくあります。しかしながら,大人になるまでの間に,どこかで修正したり学び直したりして正しく理解していくというのが実際のプロセスです。授業研究では,その時間に完全にわかったかどうかということよりも,将来的に真の理解につながる学びであるかを追究していかなければなりません。それが可能になるのが,友だちや対象との対話的な学び,すなわち学び合いです。
本校の子どもたちについては,授業の中で他に開かれていて,友だちの発言や資料のおもしろさに接すると自然なリアクションができているとお話しいただきました。だれもが安心して学べる環境になっているからこそリラックスした心理状態でいられるのだそうです。考えることから離れそうな子どもがいると,先生はブレーキをかけて授業を止めます。その困ったこと,わからないことを取り上げて新たな学びをつくっていきます。このように丁寧に進めていくことで,子どもたちは異なる発言や説明に多くふれることになり,先生が一度だけ説明するよりもはるかに広く深く理解できることにつながります。今日はそのことを実感した一日でした。
新たな課題もいくつか浮き彫りになりました。年度末から新年度始めにかけてそれらの課題を再確認し,またいつものように粛々と授業づくりを続けていきます。
 

yajirushi校内研修の様子(校内研修報告リンク案内)へ戻る